シャーマンは、供犠祭の時に供犠の動物の魂を天神に送り届けます。
このページでは、アルタイのシャーマンが行う、この儀式の方法を紹介します。
1日目
まず、中央に白樺の樹が突き出た天幕を設置します。
その樹には、9層の天に対応する9つの刻み目をつけます。
シャーマンが天界を上昇する時、地上ではその刻み目を一つずつ昇ります。
供犠のために明るい色の馬を選びます。
そして、「頭を持つ人」と呼ばれるサポート役に渡します。
天幕の中で、樹の枝を火に投げ入れて、太鼓を煙でいぶします。
そして、精霊を呪文で呼び集めて、一つ一つその名前を呼んで、太鼓の中に入れます。
これらの精霊は飛翔の時に援助してくれる精霊です。
そして、天幕から悪霊を追い出します。
これらは次の日に行うこともあります。
シャーマンは、その馬の魂を体から追い出して、逃げた馬の魂を、鷲の霊に乗って追いかけます。
現実の世界では、鷲の形の案山子に乗ってそれを示します。
そして、馬の魂を捕まえて、供物として第九天の天神のところにとどまるように命じます。
その後、屠殺し、儀礼的に食します。
2日目
天幕の中で火を炊きます。
そして、供物の肉を、太鼓の霊や火の霊などの諸霊や、諸霊を象徴する賓客達に饗応します。
次に、シャーマンの衣服を着て、様々な精霊、天上の神々や英雄達、そして、天の鳥に呼びかけます。
その後、天幕の守門の精霊の案内で、天上に旅立ちます。
シャーマンが供犠の馬の魂に乗って、天に旅立ちます。
この時、シャーマンは、地上では白樺の樹の刻み目を昇って、シャーマンの魂が天を上昇していく様子を、演じながら説明します。
第三天では、疲れた馬から降り、鷲を呼び出して、乗り代えます。
天の各層で、その層の霊達と様々なやりとりをし、捧げものをしたりして上昇をしていきます。
現実世界では、白樺の樹の9つの刻み目をひとつずつ昇りながら、諸天での様子を演じ、語ります。
最高天に至ると、天神バイ・ユルゲンに供犠を受け取ってもらうように確認します。
同時に、その年の作物の豊凶を聞いてから、帰ります。
3日目
供物の酒を白樺の樹にかけます。
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